おいしいワイナリー・酒造一覧（山梨県）

山梨ワインの魅力と伝統的な醸造方法 – 日本ワインの聖地で味わう至福の一杯

山梨ワインの歴史 – 日本ワインの発祥地

山梨県は、日本ワインの発祥地として知られ、その歴史は150年以上にわたります。明治初期、1877年に「大日本山梨葡萄酒会社」が設立され、山梨の若者がフランスへ渡り、ワイン造りの技術を学んだことが、日本の本格的なワイン醸造の始まりです。その後、山梨の気候や土壌がブドウ栽培に適していることが次第に明らかとなり、多くのワイナリーが誕生しました。現在では、日本国内のワイン生産量の約30%を山梨県が占め、国内外で高い評価を受けるワインが生産されています。

山梨のテロワール – 気候と土壌が生み出す高品質なブドウ

山梨県がワイン生産に適している最大の理由は、その独特のテロワール（気候・土壌・風土）にあります。山梨は日本有数の日照時間を誇り、昼夜の寒暖差が大きいため、ブドウの果実がじっくりと成熟し、糖度と酸味のバランスが絶妙な状態で育ちます。標高の高い地域では、水はけの良い火山性土壌が広がり、根が深く張ることでミネラル豊富なブドウが育ちます。

山梨ワインの代表的な品種として、白ワイン用の**「甲州」と、赤ワイン用の「マスカット・ベーリーA」**が挙げられます。

甲州種ブドウ：日本固有の品種で、1000年以上の栽培の歴史を持ちます。爽やかな酸味と柑橘系のフルーティーな香りが特徴で、和食との相性が抜群。特に寿司や天ぷらとのマリアージュが評価されています。
マスカット・ベーリーA：日本人醸造家・川上善兵衛によって開発された品種で、柔らかいタンニンとイチゴやチェリーを思わせる甘やかな香りが特徴。優しい味わいの赤ワインが造られ、飲みやすさから人気があります。

伝統と革新が融合する山梨ワインの醸造方法

山梨のワイナリーでは、伝統的な醸造方法と最新技術を融合しながら、世界に誇るワインを生み出しています。

収穫と選果
ブドウの収穫は、9月から10月にかけて行われます。最高品質のワインを造るためには、完熟した果実を丁寧に手摘みし、不良果を取り除く選果作業が重要です。多くのワイナリーでは、手作業による選果を行い、ワインの品質向上に努めています。
白ワインの醸造（甲州ワインの場合）
白ワインの醸造では、収穫したブドウをすぐに破砕し、果汁を搾り取る「圧搾工程」が行われます。その後、発酵タンクに移し、低温でゆっくりと発酵させることで、フルーティーでエレガントな香りを引き出します。山梨の甲州ワインの特徴であるスッキリとした酸味と爽やかな柑橘系の風味は、この低温発酵によって生まれます。
赤ワインの醸造（マスカット・ベーリーAの場合）
赤ワインの場合は、果皮や種とともに発酵させる「マセラシオン（醸し発酵）」を行うことで、ワインに色とタンニンを抽出します。発酵後は、オーク樽やステンレスタンクで熟成させ、ワインに深みを与えます。特に、フレンチオーク樽を使用することで、ワインにバニラやスパイスの香りが加わり、より複雑な味わいになります。
瓶詰めと熟成
発酵と熟成を終えたワインは、フィルタリングを行い、瓶詰めされます。一部の高級ワインは、瓶内でさらに熟成され、よりまろやかでバランスの取れた味わいに仕上がります。

山梨ワインの魅力を堪能するワイナリー巡り

山梨県には、100以上のワイナリーが点在し、それぞれが独自のこだわりを持ってワイン造りを行っています。

サントリー登美の丘ワイナリー（甲府市）
　100年以上の歴史を持つワイナリー。標高約600mの丘陵地に広がるブドウ畑は、ワイン造りに最適な環境。エレガントな赤ワインが特に有名。
シャトー勝沼（甲州市）
　日本最古の民間ワイナリーとして知られ、伝統的な甲州ワインを造り続けている。試飲コーナーでは、さまざまなワインを楽しめる。
くらむぼんワイン（甲州市）
　自然派ワインにこだわり、無農薬・無添加の醸造を実践。果実味豊かでナチュラルな味わいが特徴。

ワイナリーでは、醸造工程の見学ツアーやワインの試飲を楽しむことができ、ソムリエや醸造家からワインの奥深さを学ぶことができます。テラス席やレストランを併設したワイナリーでは、美しいブドウ畑を眺めながら、料理とともに極上のワインを堪能できます。